こんにちは。エンゲージメントソリューション「WOW engage(ワオエンゲージ)」のマーケティングチームです。
今回のテーマは「One to Oneマーケティングについて」です。
One to Oneマーケティングとは、顧客の趣味嗜好や購買傾向を把握し、顧客ごとに最適なアプローチをするマーケティング活動のことです。
本記事では、One to Oneマーケティングの基礎知識や具体的な手法のほか、成功事例と施策例についても詳しく解説します。
One to Oneマーケティングとは、顧客ごとに最適なアプローチをするマーケティング活動を指します。性別や年齢などの基礎データに加え、サイトの閲覧や購買履歴などのデータをもとに、顧客の趣味嗜好や購買傾向を把握します。
例えば、顧客が商品ページに複数回アクセスして購入を検討しているタイミングに、割引クーポンを配布するといった施策もOne to Oneマーケティングのひとつです。
One to Oneマーケティングを実施するには、顧客に関する情報を収集し分析することが欠かせません。自社で保有するファーストパーティーデータやCookieなどのサードパーティーデータを集約し、分析するツールが必要となります。
主な広告媒体が新聞や雑誌、テレビだった時代は、大勢の人を対象に同一の訴求をするマスマーケティングが主流でした。
しかしインターネットの発展により、Cookie情報から個人を追跡し、ニーズを把握するマーケティングが重要視されるようになりました。
Cookie情報で個人のニーズを把握するようになったものの、近年では個人情報保護の観点から、プライバシー強化によりCookieを規制する動きが広がりつつあります。
一方で、企業が顧客と直接コミュニケーションを取ることで得られるファーストパーティーデータは、規制の対象外となっています。そのため、効果的なマーケティング施策をおこなうには自社で顧客の情報を収集し、見込み顧客と深いコミュニケーションを図ることが求められています。
One to Oneマーケティングの代表的なメリットを3つご紹介します。
LTVとは「顧客生涯価値」を意味するLife time Value(ライフタイムバリュー)の略称で、特定の顧客から取引期間中に得られる収益を指す指標です。One to Oneマーケティングは、LTVの向上に役立つと考えられています。
例えば、購買傾向など顧客の好みにあったコンテンツを配信し、顧客と良好な関係を構築できれば、企業やブランドへの愛着が生まれます。顧客エンゲージメントが高まることで、リピート顧客やファン化、ロイヤル顧客の育成に繋がります。長期的に顧客を魅了することで、LTVの最大化が図れるでしょう。
また、顧客の多様化したニーズに応えられることで、結果としてUX※(ユーザー・エクスペリエンス)向上も期待できます。
※UX・・・顧客が製品・サービスを通じて得られる体験
One to Oneマーケティングでは、優良顧客や休眠顧客など顧客セグメントごとに施策を立案し、顧客へアプローチします。
例えば最終購入日から1ケ月経っている顧客に対しては、期限付きのクーポンをメールで配布するといった施策が挙げられます。さらに休眠顧客には、送料無料キャンペーンも合わせて実施し、購入のハードルを下げることもできます。一方でリピート回数が多い優良顧客であれば、購入している商品と同時に購入されている人気商品を提案して購入を促進するのも効果的です。
顧客ごとに適した訴求ができるようになるので、コンバージョン率の改善が見込め、売上拡大に繋がるでしょう。
広告は幅広いターゲットに配信すればするほど、費用もその分必要となります。
また、興味を持っていない広告を見せ続けることは、ユーザーが商品に対して嫌悪感を持ったり、ブランドのイメージを損なったりしてしまうリスクがあります。
一方、One to Oneマーケティングは、たとえばこれまで商品ページを閲覧したことがある、興味や関心の高いユーザーに絞って広告を配信することができます。これにより広告の無駄打ちを防ぎ、広告費用も抑えられます。顧客に最適な広告を打つことで、費用対効果を高められるでしょう。
次に、One to Oneマーケティングの具体的な手法を5つあげ、わかりやすく解説します。また、One to Oneメールマーケティングの成功事例もご紹介します。
レコメンデーションとは、購入履歴や商品の閲覧履歴などの顧客行動データをもとに、顧客の好みの商品をおすすめする手法です。
ECサイトの商品ページの下部などに「おすすめ商品」「こちらの商品を見た人はこの商品を見ています」といったようなコンテンツが表示されるのを見たことがある方も多いと思いますが、それらの施策がレコメンデーションです。閲覧した商品と関連性の高い商品や、購買行動が似ているユーザーが購入した商品などを表示し、訴求することができます。
レコメンデーションでは、顧客が興味を持ちやすい商品を表示することで購買意欲を刺激し、「この商品もついでに買っておこう」という購買を促す効果が期待できます。
リターゲティング広告とは、Cookieの情報から過去に自社のWebサイトを訪問したことのあるユーザーに対して、別のWebサイトに訪れた際に広告を配信する手法です。
リターゲティング広告を配信しているWebサイトであれば、訪問したことがあるユーザーに対して自社の広告を表示できるため、顧客との接触回数を増やすことができます。過去に自社のWebサイトを見ており、すでに商品に興味を持ってくれているユーザーであるため、コンバージョン率が上がりやすいというメリットがあります。
One to Oneマーケティングにおけるメール配信は、顧客の興味・関心に合ったコンテンツで顧客とコミュニケーションを取ることができるため、多くの企業が取り入れています。
前述したレコメンデーションと合わせて活用することも可能です。例えば、メールにレコメンド情報を差し込むことで、一斉配信するのに比べ、反応率やコンバージョン率向上が期待できます。
ほかにも、会員登録してから購入に至っていないときや、商品をかごに入れたまま時間が経っている場合などに、リマインドメールを配信するといった活用方法もあります。
実際に効果が得られたOne to Oneメールマーケティングの成功例を紹介します。
パーソナル人工知能(AI)とメール配信システムを連携し、One to Oneメールマーケティングを実施
「nano・universe(ナノユニバース)」「MARGARET HOWELL(マーガレットハウエル)」「HUMAN WOMAN(ヒューマンウーマン)」など、60以上のブランドを擁するアパレル大手のTSIホールディングスでは、パーソナライズ人工知能(SENSY Marketing Brain)と当社のメール配信システム(WEBCAS e-mail)を連携し、素材や色合いなど顧客一人ひとりの好みに合ったおすすめ商品などをメールコンテンツ内に差し込んで配信しています。
配信しているレコメンドメールは2種類あり、商品(アイテム)をレコメンドするメールと、ショップのスタッフのコーディネート(スタイリング)をレコメンドするメールです。
お客様の声
「レコメンドメールを活用したOne to Oneマーケティングで、1通当たりの売上額が最大31%アップしました。また、店舗への送客効果も生まれています。」
成功事例を見る
パーソナライズしたコンテンツを配信することで、売上拡大や実店舗への来店数アップに繋げています。
Web接客は、Webサイト上のチャットボットやプッシュ通知、ポップアップなどでユーザーニーズに適したコンテンツを配信して、購買を促進します。
例えば、プッシュ通知で複数回訪問しているユーザーに会員登録を促したり、ポップアップで購入に至っていないユーザーにクーポンを配布したりして購入を促すことが可能です。
Web接客で個々にあったアプローチをすることで、顧客満足度やUX(ユーザー・エクスペリエンス)向上が見込めるでしょう。
LP(ランディングページ)とは、広告や検索エンジンなどから流入したユーザーが訪問するWebページのことです。One to OneマーケティングによってWebサイトの閲覧履歴や流入元、属性によって、LPを出し分けることができます。
ユーザーの属性や閲覧履歴などにより、興味や関心を持ちやすいページに誘導することで、申し込みや商品購入を促す効果が見込めるでしょう。
オムニチャネルやOMO※(Online Merges with Offline)により、顧客接点が増え、収集できる顧客データが増えています。しかし、システムごとにデータを管理しているとうまく連携できず、正確なデータ分析が行うことが困難です。
オムニチャネルとは、顧客が店舗、Webサイト、モバイルアプリ、電話、ソーシャルメディアなど、さまざまな媒体を通じてシームレスに商品を購入できる小売りの販売戦略を指します。
オムニチャネルとは?メリットやマルチチャネルとの違い、進め方を簡単に解説
※OMOとは・・・オフラインをオンラインに一体化するというサービスのコンセプトです。オムニチャネルは購買の各チャネルを統合する小売りの手法ですが、OMOはユーザーのあらゆる体験をオンラインとオフラインでシームレスにつなげることを主軸としています。
自社に保持する顧客データをOne to Oneマーケティングに活用するには、まずは顧客データを集約して分析できる体制を構築する必要があります。膨大なデータを統合・分析する場合は、CDPが適しています。CDPであれば顧客ごとのデータを確認して顧客理解を深め、マーケティング施策への活用が可能です。
CDPとは、「Customer Data Platform(カスタマー・データ・プラットフォーム)」の略称で、企業が持つ顧客データや行動データなどを統合、分析し、マーケティング等の施策に活用するためのプラットフォームです。
顧客一人ひとりのWebサイトの閲覧履歴や位置情報、購買行動など各システムから取得したデータを収集し、「どのようなコンテンツに興味があるのか」「どのようなアプローチをすればロイヤルティが高まるか」などを分析し、最適な施策を見出すことができます。そして、メッセージ配信ツール等と連携することによりそれらの施策を実行し、マーケティング効果を最大化することが可能です。
昨今、人々が接触する情報量は爆発的に増加し、企業と顧客とのコミュニケーションも多様化しており、すべての顧客に同じアプローチをしても効果を出すのが難しくなってきています。そのため、顧客を深く理解し、自社のマーケティングを強化できるCDPの重要度が高まっています。
CDPとは?DMPやCRMと何が違う?導入メリット、活用例を解説
前述のとおり、One to Oneマーケティングを実施するにあたり、まずはCDPなどで顧客データを統合する必要があります。次に、統合した顧客データを分析し、戦略の立案、マーケティング施策を決定し、さらに顧客へ届けるコミュニケーションが重要です。
当社が提供する「WOW engage(ワオエンゲージ)」は、企業が持つ顧客データを統合・分析するCDP機能と、マルチチャネルでのメッセージ配信の機能がワンパッケージとなっているエンゲージメントソリューションです。データに基づいたマーケティング活動を効率的に実施できるようになります。
例えば、デモグラフィック情報や購買履歴、行動履歴などの顧客データを統合・分析し、顧客ニーズに適したメールやSMSなどのメッセージ配信施策に取り組めます。
顧客一人ひとりを深く知ることができる「360度の顧客ビュー」を実現したい方や、さまざまなチャネルでOne to Oneマーケティングを実施したい方におすすめです。
エンゲージメントソリューション「WOW engage」でできること、導入メリット、主な機能など、
詳しい資料(PDF)をご確認いただけます。
「WOW engage」は、企業が抱える顧客とのコミュニケーションにおける課題や悩みを解決し、マーケティング成果を最大化することが可能です。
ここでは、One to Oneマーケティングを活用した例を紹介します。
・顧客全員に日々情報を発信しているが、なかなかWebサイトに来てもらえない
・メールやLINEの配信回数を増やすなど、訴求の量を多くしても効果は上がらない
「WOW engage」では、顧客に情報を見てもらうには「情報の量」ではなく、顧客にとって「必要な情報であること」が重要と考えています。例えば、以下のようなOne to Oneマーケティングが有効です。
まずはECサイトとリアル店舗での購買履歴を統合管理します。顧客の趣味嗜好を分析し、顧客が好むデザインや興味のあるブランド、関心の高いサイズなどにパーソナライズしたコンテンツを作成しましょう。その後、メッセージ配信システムへ連携し、顧客へ情報を届けます。この際、キャンペーンや割引情報はLINE、購入へ繋げてほしい情報はメールなど、適したチャネルを使い分けることでより効果が高まります。
WOW engageの課題解決例を見る
・初年度の年会費を無料にし、クレジットカード入会者を増やしたが、入会後の顧客の分析ができていない
・翌年の更新タイミングで解約されてしまい、せっかく増やした入会者が激減してしまう
「WOW engage」では、企業が持つ顧客データを統合し、分析することが重要と考えています。例えば、以下のようなOne to Oneマーケティングが有効です。
まずは、クレジットカード入会後の顧客データを活用し、クレジットカードの利用頻度や利用場所などのデータをもとにライフスタイルを分析します。次に、利用者に適した便利な使い方やポイント交換アイテムなどをおすすめするコンテンツを作成し、メール、SMS、LINEなどで顧客とコミュニケーションをとります。利用者に最適な情報を発信することにより、サービスの満足度を向上させ、クレジットカード継続利用を促すことができます。
WOW engageの課題解決例を見る
One to Oneマーケティングとは、サイトの閲覧や購買履歴などのデータをもとに、顧客の趣味嗜好や購買傾向を把握し、顧客ごとに最適なアプローチをするマーケティング活動を指します。顧客エンゲージメントを高めることで、リピート顧客やファン、ロイヤル顧客を育成することができ、長期的に顧客を魅了することでLTVの最大化が図れます。
One to Oneマーケティングに取り組むためにまずは自社が持つ顧客データを集約・分析できる体制構築から始めてみましょう。
エンゲージメントソリューション「WOW engage」でできること、導入メリット、主な機能など、
詳しい資料(PDF)をご確認いただけます。